「退職代行なんて、本当に使って大丈夫なの?」——もしあなたが今そう思っているなら、3年前の私とまったく同じです。
私は新卒で入った不動産の営業会社を、退職代行を使って辞めました。自分の口で「辞めます」と言えないまま、何ヶ月も追い詰められた末の決断でした。
そして今、私は現役で会社の人事をしています。退職届を受け取り、退職代行からの連絡に対応する側です。つまり私は、退職代行を「使った側」と「受け取る会社側」の両方を知っています。
その両方を経験したからこそ言えます。あの時、退職代行を使って本当に良かった。この記事では、当時のリアルな体験と、人事になった今だからわかる「本当のところ」を包み隠さずお話しします。
- 自分の口で辞められないのは、弱さでも甘えでもない(私もそうだった)
- 退職代行を使っても、会社は拍子抜けするほど粛々と処理する(人事として何度も見た)
- 有給・退職金・離職票も、通常どおりちゃんと受け取れた
- 大事なのは「どの退職代行を選ぶか」。民間・労組・弁護士で“できること”が違う
なぜ私は「辞めます」の一言が言えなかったのか
新卒で入ったのは、投資用不動産の個人営業の会社でした。飛び込み、テレアポ、週末はモデルハウス当番。契約が取れなければ朝礼で詰められる、「数字が人格」の世界です。
入社して2年が過ぎる頃、同期がどんどん辞めていきました。7人いた同期は3年目には3人に。問題は、辞めた人の顧客と引き継ぎが残った私たちに積み増されていくことでした。
終電で帰り、休日も顧客対応。気づけば日曜の夜になると動悸がして、月曜の朝は吐き気でトイレにこもるようになっていました。
「辞めよう」。何度もそう思いました。でも、いざ上司に切り出すと——
- 「今このタイミングで抜けられると困る」
- 「次は決まってるのか?甘くないぞ」
- 「あと半年頑張れば楽になる」
- 「お前のためを思って言ってるんだ」
そう言われると、人手不足の中で自分が抜ける罪悪感も重なって「やっぱり今は無理だ」と引き下がってしまう。これを何度も繰り返しました。
妻(当時の恋人)の一言で、退職代行を調べ始めた
転機は、当時付き合っていた今の妻の一言でした。
「毎晩うなされてるよ。もう、辞めなよ。」
自分では気づかないうちに、寝言でうなされるほど追い詰められていたんです。その時はじめて「自分の口で言えないなら、誰かに代わりに言ってもらってもいいんじゃないか」と思いました。それが退職代行でした。
退職代行のサービス選びで、私が迷ったこと
いざ調べると、退職代行サービスは想像以上にたくさんあって、最初はどれを選べばいいか全くわかりませんでした。私が必死に比較したポイントを正直に書きます。
民間・労働組合・弁護士で「できること」が違う
ここが一番大事でした。退職代行は運営元によって、法的にできることが違います。
- 民間企業:会社に退職を「伝える(通知)」だけ。有給や未払いの交渉はできない(やると弁護士法72条違反のリスク)
- 労働組合:団体交渉権があるので、有給消化や退職日の交渉ができる。料金も比較的手頃
- 弁護士:交渉に加え、未払い残業代の請求など法的対応まで可能。料金は高め
私の場合は「有給を消化して辞めたい」希望があったので、交渉できる労働組合系を選びました(当時の私のケース。最適は状況で変わります)。
料金・即日対応・実績も確認した
料金相場は2〜3万円台が中心。極端に安い業者は運営元や対応範囲を必ず確認した方がいいです。「即日対応」「有給・退職金もサポート」「LINEで完結」あたりを私はチェックしました。
実際に使った当日——拍子抜けするほどスムーズだった
申し込んでからは本当にあっという間でした。
- LINEで状況を伝え、料金を支払う
- 退職希望日や有給消化の希望を伝える
- 当日、担当者が会社に連絡 → 私はもう出社しなくてよくなった
- 貸与品(PC・制服)は郵送で返却、私物は後日受け取り
あれだけ怖かった「辞めます」の一言が、自分が一度も会社と話さないまま完了したんです。連絡が終わったと聞いた瞬間、数ヶ月ぶりに肩の力が抜けたのを今でも覚えています。
有給・退職金・離職票はどうなった?
心配していたお金や書類も、通常どおりちゃんと処理されました。
- 有給:交渉してもらい、残っていた分を消化できた
- 退職金・給与:規定どおり支払われた
- 離職票:後日きちんと郵送で届いた(失業保険の手続きに必要)
現役人事になった今、振り返って思うこと
その後、私は人材業界を経て、今は会社の人事をしています。退職届を受け取り、退職代行からの連絡を受ける側です。その立場になって、当時の不安がほとんど杞憂だったとわかりました。
- 退職代行が来ても、社内は拍子抜けするほど粛々としている。書類を淡々と処理するだけで、「バックレ」とは全く違う円満退職と同じ事務処理
- 会社は法的に退職を拒否できない(民法627条=申し出から2週間で退職可能)。「辞めさせない」はそもそも不可能
- 転職先にバレることもない。離職票に「退職代行を使った」なんて書く欄はない
人事として何件も見てきて思うのは、揉めるかどうかは“辞め方”次第だということ。自分で言えないほど追い詰められているなら、退職代行は十分に合理的な選択肢です。
退職代行を使うか迷っているあなたへ
最後に、当時の自分に言いたいことをそのままあなたに伝えます。自分の口で辞められないのは、弱さでも甘えでもありません。それだけ追い詰められている、というサインです。我慢し続けて心や体を壊す前に、「逃げ道」を一つ持っておいてください。
使うと決めたら、選ぶポイントはシンプルです。交渉(有給・退職日)が必要なら労働組合か弁護士、とにかく伝えてもらえれば十分なら民間でも可。料金・即日対応・実績を確認しましょう。
まとめ
- 自分で辞められないのは追い詰められているサイン。退職代行は合理的な選択肢
- 会社は退職代行が来ても粛々と処理する(人事として確認済み)。バレない・損しない
- 民間/労組/弁護士で“できること”が違うので、自分の希望に合わせて選ぶ
辞めるのは、あなたの正当な権利です。一人で抱え込まず、使えるものは使ってください。
そして辞めた後は、次の一歩へ。20代・第二新卒の転職は、姉妹サイト転職論で、自分に合うサービスを無料診断できます。
